ストレイライトが1年かけて作り上げたユニットの形

アイドルマスターシャイニーカラーズが2周年を迎える。

 

4/12頃にこれについてのお祝い記事は書くことにするが、この2周年アニバーサリーのタイミングでストレイライトのイベントシナリオ「WorldEnd:BreakDown」が実装された。

 

ストレイライトと言えば、記念すべき1stライブで新ユニットとして発表、1周年のタイミングでめでたく実装されており、今回のシナリオで「1周年」を迎えた訳である。

 

1年前は、イルミネーションスターズが「1年を経て作り上げたユニットの形」を「Catch the shiny tail」で魅せてくれたが、今回のストレイライトのシナリオもまた「1年の集大成」が確かに綴られていた。

 

 

 

Q.ストレイライトにおける愛依の意味とは?

ストレイライトは『迷光』の名に違わない「リアルユーザー達に衝撃を与えたユニット」と説明すればシャニマスPは納得してくれるだろうか。

 

実装当時謎に包まれていた3人はふたを開けてみると「現実」と「偶像」で二つの側面をもっており、中でも黛冬優子に関しては、公式のプロフィールですら一時偽装する手の込みようで、先に述べたようにユーザーに衝撃を与えた。

 

そしていくつかのストーリーを経て、芹沢あさひは「他を寄せ付けない集中力と身のこなし」、黛冬優子は「自らの魅せ方、そして趣味の経験を生かしたファン心理の掌握」を武器にそれぞれの偶像を作り上げていった。

 

一方で、和泉愛依はミステリアスなキャラとして売り出してはいるが、それは弱点をカバーするためのもので武器にできているわけではない。

アイドルとしては他二人に現状見劣りしていると言わざるを得なかったこの状況に公式自ら踏み込んだのが今回のシナリオとなっている。

 

二人からみた「愛依」

 

ユニット総選挙が行われるにあたって、冬優子の提案で「ユニット内で順位対決」が行われることになった際、愛依はPにこう話していた。

 

「絶対、あさひちゃんと冬優子ちゃんには、負けたくないからね」

「うち、ストレイライトのこと、みんなのこと、好きだから...」

 

愛依にとって、ユニット内で1位になることは、二人に勝つためではなく、二人とユニットをやっていくためなのである。

自分に力があれば、ストレイライトというユニットはさらに強固なものとなる。

ユニットのことを考えていて、二人のことを尊敬していないと出てこない台詞である。

 

一方で、あさひと冬優子の二人も、愛依はユニットになくてはならない存在であることは認めていた。

アニメという自分には縁がなかったものだからと敬遠せず、どっかに行かれたら「迷惑だから」困るのではなく、あさひの、冬優子の、二人の本質を無意識に見抜いて接してくれている愛依。二人の「仮面の下」を受け止められる彼女だからこそ、ストレイライトというユニットにいるのだろう。

「考えるまでもなかったわ」と言う台詞の時の冬優子の顔がとても好きである。

 

愛依の真の弱点

時が経ち、ユニット投票で2位に転落。1位盤石と思っていたメンバーは混乱。あさひと冬優子は「やるだけやったからもう無理」という諦めモードに入ったタイミングで愛依は「二人を売り込む」ことでなんとか票を伸ばそうとした。

常に「自分が一番になる」の精神で動いてきた二人は愛依の姿に愕然とし、それと同時に何が今一番正解かを理解した。

そして二人は、愛依をセンターにして写真を撮ろうと提案する。

尊敬してる二人を差し置いてセンターに立つことに引け目を感じる愛依。しかしそれこそが、今やるべきことであると冬優子とあさひは続ける。

 

このシーン、イベント報酬のイラストまでの展開の運びが絶妙で読んでるときに感嘆の声を上げてしまった。

あさひと冬優子はたしかに自分の個性をとがらせ続けて成長しては来たが、それ故に、今にも張り裂けそうな風船のように繊細な存在に膨らみ続けていた。現に、ユニット2位に転落した際には、膨らみきった体を戻すにはもう遅い状態であり、諦めかけていた。

その風船の空気を優しく抜いて、綺麗に高く飛ばしてあげる存在が愛依だったのである。

決して二人を落ち着かせようと言うわけではなく、「ユニットのために」というぶれない1軸の芯を持ち続けるところで、二人も「何が一番大事か」を思い出した。

そして愛依は、二人の「努力している姿」を、自分の嘘偽りない言葉を添えてツイスタにあげることで、二人の票を伸ばそうと、二人の風船をより高く飛ばそうとしたのである。

精神的な支柱は愛依。そういう意味を込めて、愛依をこの日はセンターにしたのである。

そしてもう一つ。

愛依の「二人をもっと知ってもらいたい」という気持ちは、愛依が気づかないうちに枷となっていた。

愛依の本当の弱点は「緊張すること」ではなく「ユニット内で自分が主張しないこと」だということに気づかされた。

冬優子は、愛依をセンターに置くことで「二人がすごい、じゃなくて、あんた(愛依)も同じフィールドで戦ってんのよ」と意識させたのではないか、と考える。

この1枚は、「ようやく3人が結束した瞬間」とかんがえると、ストレイライトとしての1年の集大成が詰まった良い一枚だと思う。

 

A.ストレイライトにおける愛依の意味とは

以上の出来事を経て、愛依は、そしてストレイライトは、新たなステージへと成長を遂げた。

イベントのMCで愛依は、いつも通りに口数は少ないながらも、いつも以上に力強く、はっきりと言葉を口にした。

3人がぶつかり合うことでストレイライトの光が走る。そのことはファンにも、貴社にもしっかりと届いていたようである。

 

ストレイライトにおける愛依とはユニットの精神的支柱であり、二人にとっての「ライバルで、そんで、友達」であることが十二分に伝わった非常に良いコミュであったと思う。