樋口円香 WINGシナリオ感想 ~シャニP【NOT≠EQUAL】私~
アイドルマスターシャイニーカラーズ
新アイドル樋口円香をWING編でプロデュースした。
告知から実装までの少ない描写(公式プロフィール・4コマ等)から癖ある子だろうなとは感じていたので、どのようなシナリオになるのか非常に楽しみにしていた。
以下感想。
「狂犬」樋口円香
樋口円香は出会った当初から、Pに対して強く当たってくる攻撃性の高い子だった。
そもそもPと接触を図ったのは「幼なじみである浅倉透が騙されていないか」確認をとるためであったし、アイドルを始めた動機もそれに準じたものであった。
つまり、「アイドルになりたくて」なんて気持ちは微塵もなかったのである。
また、アイドル活動を行う際にも、「アイドル」を軽視する発言や、「ほどほどに」といった軽口をたたくなど、消して褒められたものではない行動が続く。
少し褒められたり、ファンに応援されたりすれば「期待をする方がおかしい」と言わんばかりの態度。
今までアイマスで「狂犬」と呼ばれたりもしていた初期の千早や志保は、口や態度こそ悪かったりはするものの、自分の目指すものがあり、それに対しては人一倍ストイックであった。
対して円香は、口も悪ければ大して努力もしない。というより特に目標すらない。
何のためにアイドルしているんだろうか、と思われても仕方ない描写だった。
そんな円香が透と幼なじみとして仲良く(?)していられるのは、おそらく透が円香に対して必要以上に干渉しないからだと推測できる。
感情に流されない透は、円香としては接しやすいのかもしれない。「樋口」「浅倉」と名字で呼び合うのも、その微妙な距離感の現れだろう。
円香の告白
そんな円香であったが、シーズン4で自分の思いを打ち明ける。
他人の、無責任で必要以上の期待が重いから、強い言葉ではね除けようとする。
"現実"を知るのが怖いから、オーディションに合格しても感情に出さない。出せない。
いつか「不合格」にならないかとさえ願う。
喜びなんか知ると失ったときに悲しくなるから。
円香は何かを失うのが「怖いから」他人に期待せず、自分にも必要以上に期待されないように振る舞ったのである。
もちろん、彼女の暴言は生やさしいものではなかったし、アイドルを軽視するような発言があったのも事実として否定はできない。
しかし彼女はまだ17歳、高校2年生である。
他人からの期待や、裏切った、裏切られたときの恐怖を打ち払えという方が酷である。
彼女にしてみれば、強い言葉をぶつけることで「期待されない自分」「期待しない自分」でいることしかできなかったのかもしれない。
シャニPは私の手から離れた
円香は告白を経て無事アイドルとしての”0歩目”は踏み出せた訳なのだが、その告白を引き出したのはシャニPが根気強く円香とコミュニケーションをとっていたからである。
自分がスカウトした以上は簡単に途中で投げ出すわけにはいかないという責任感もあったのだろうが(それだけでも十分だが)、おそらくシャニPは「円香が強く当たってきている」わけを、理由まではわからなくとも、何かあると感じ取っていたのではないだろうか。
だからこそ、激しく罵倒されても流せたのかもしれない。
私は円香のことは決して嫌いではない。しかし、シャニPのような包容力で対応してあげられるかというとそれは難しいと思う。
というよりあそこまで尽くせるのはなかなかいないと考える。
浅倉透のシナリオにおける幼なじみ設定もあって、ノクチルシナリオで「シャニP≠プレイヤー」が加速しているのをひしひしと感じている。
すくなくとも私はシャニマスPを見守る壁の気分だ。
めでたしめでたし...?
実装当初はどうなることかとハラハラしたが、シナリオ全体を通してみれば、「Pが仕事や練習を通してアイドルと心を通わせていき、トップアイドルへ」というアイドルマスターの王道ともいえる内容であった。
Pに対して少しずつではあるけど心開いているようだし、ひとまず一件落着...
とは行かないのがノクチルである。
ノクチルと他のユニットの大きな違いは「メンバーの関係性」にある。
他のユニットは、どんなにめんどくさい子がいたとしても、0から関係を作り上げていくことでユニットとしてできあがる頃には良い関係性を築きあげている。
しかしノクチルは「もうできあがっている」。
そこに「P」という異物(と敢えて例える)が混入することで、「幼なじみ」がどうなっていくのかまったく予想がつかない。
透とPが以前出会っていることはすでにコミュで判明したとおりだが、それを樋口はまだ知らない。
もしそれを知ったとき、アイドルとして変わっていく透、そしてPに対して何らかの感情を抱いた透を円香が目にして、いったいどんな反応をするのだろうか。
おそらく「自分から大切なものが何か奪われたような気分」になるのではないか?
小さくとはいえ一度は積み上げた円香からPへの信頼は、案外崩れ去る日がそう遠くないうちに来るのかもしれない。
ノクチル、今後も注視していきたいユニットである。